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カヴェンディッシュ4勝目!!:ツール・ド・フランス2016第14ステージ

ツール・ド・フランス2016

連日厳しい戦いが続き、アクシデントにも見舞われた今大会ですが、今日は平和なレース展開が期待できそうな4級山岳3つを含む208.5kmの平坦ステージです。


連日強風に見舞われているツールですが、今日も風は強め。一見平凡な平坦ステージに見えますが、横風分断を狙った駆け引きもありそうで気は抜けないか……

と思ったのも結局は杞憂で、今日の風はほぼ向かい風……途中のわずかにあった横風区間でスカイの牽引などによって集団が縦長になったり、小さな分断は起きたものの、おおよそメイン集団にとっては「平和」な1日として終わりました。
全21ステージの間で休息日はわずか2日(数年前までは1日しかなった……)3週間にわたって連日150〜200kmを走るわけですから、途中に幾つか「やさしめのステージ」もあるべきですよね。

特に近年のツールでは有力チームによる厳しい「位置取り争い」があったり、単純な平坦ステージでもなかなか気を緩められるステージが減ってしまっているように思えます。
殊に、今年のツールは序盤から難しいステージが続き、観ている側からしたら毎日激しいレースが観られて面白い反面、選手にとっては消耗も激しいでしょうしバランスは難しいですよね。

序盤で難しいステージが多かったわりにリタイアが少ない……という声が上がっていた今大会ですが、さすがに第13ステージを終え中盤も過ぎるとリタイアする選手も増えてきています。

ここまででリタイアした主な選手を挙げると……

など。
コンタドール、ティボ・ピノのリタイアは特に残念ですね。そしてこの2人は結局オリンピックにも出場しないようで、それもまた残念なニュース……
トニー・マルティンファビアン・カンチェラーラと、マイヨ・ジョーヌのリタイアが相次いだ昨年のツールに比べると今年は随分リタイアが少ないのはやはり印象としてありますし、残りステージでも激しい戦いは期待しますが、一方でリタイアによって勝利が決してしまうような結果は見たくありませんので、このまま順調に今後のステージが進行していくことを望みます。

さて、今日のレース状況に話を戻しますと、上述したようにメイン集団での大きな動きはなく、逃げも少人数のグループの無難な逃げに終わり、結果としては予想通りのピュアスプリンターによるゴールスプリントに雪崩れ込む展開。

ゴール前2〜3kmはエティクス・クイックステップ、カチューシャ、ディメンションデータといった有力チームがそれぞれトレインを組んでゴールスプリントに備えた位置取り争いを繰り広げます。今日誕生日を迎えたアンドレ・グライペルも集団前方の位置をキープ。久々に綺麗なゴールスプリントで迫力が凄い!!

ラスト300m、アシストから発射されたキッテルがスパート。カヴェンディッシュはキッテルの後方に着け、グライペル、クリストフ、サガンらが反応します。そして今回のスプリントにはここまで活躍のなかったジョン・デゲンコルブの姿も!!

ラスト300mでのスパートはキッテル若干早いか……という印象でしたが、ラスト150mでキッテルを交わして先頭に立ったカヴェンディッシュが今大会4勝目!!(完全に勝利量産体制…といった感じになってきました)
極端に低い姿勢で踏み込み、最後の最後にライバルを交わして勝利するカヴェンディッシュらしい切れ味鋭いスプリントが戻ってきた今大会はスプリントの面白みも増したように個人的には感じます。

そして今日嬉しかったのはこれまで怪我の影響もあって活躍のなかったジョン・デゲンコルブが4位に食い込んできたこと!

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この事故によって、あわや左手人差し指を欠損…というような負傷を負ったデゲンコルブ。
今も指はほぼ曲がらない状態らしいですが、それでも勝負を続けるデゲンコルブの姿は本当に胸を熱くさせてくれます。

さて、明日からはまた厳しい山岳ステージに突入します。
フルームがこのまま優勝をたぐり寄せていくのか、ナイロ・キンタナ擁するモビスターがどんな攻撃をスカイに仕掛けていくのか、或いはアダム・イエーツのさらなる進化を目にすることができるのか。これから終盤の戦い…ますます目が離せません!!

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圧勝トム・デュムラン!個人TTの結果:ツール・ド・フランス2016第13ステージ

ツール・ド・フランス2016

今大会で2回設定されている個人タイムトライアルの1回目。37.5kmと長めのコースでアップダウンもあり、TTスペシャリストとオールラウンダーのステージ優勝争いが見られそうです。


個人TTなので、トニー・マルティンファビアン・カンチェラーラ、ヴァシル・キリエンカといった歴代TTチャンピオンのいずれかがこのステージを制するのか、TT巧者のオールラウンダー、クリス・フルームやヴィンチェンツォ・ニーバリが上り区間で優位性を発揮するのか、ステージ優勝の行方がまず気になるところ。
それでいうと個人的に圧倒的に押したいが、トム・デュムラン。
今大会でも第9ステージを制して、調子も良さそうですし、去年のブエルタで開花した「クライマー」としての強さも今日のコースには向いているように見えます。

さて、解説や感想を後回しにして、先に本ステージの主要選手のリザルトを見てしまいます。

1 トム・デュムラン 50' 15''
2 クリス・フルーム + 01' 03''
3 ネルソン・オリヴェイラ + 01' 31''
4 ジェローム・コッペル + 01' 35''
5 ローハン・デニス + 01' 41''
6 バウク・モレマ + 01' 54''
7 ゲラント・トーマス + 02' 00''
8 ヨン・イサギーレインサウスティ + 02' 02''
9 トニー・マルティン + 02' 05''
10 ティーブ・カミングス + 02' 24''
13 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン + 02' 34''
15 アレハンドロ・バルベルデ + 02' 48''
16 ティージェイ・ヴァンガーデレン + 02' 50''
18 アダム・イェーツ + 03' 01''
20 ナイロ・キンタナ + 03' 08''
21 リッチー・ポート + 03' 08''
23 ファビアン・カンチェラーラ + 03' 15''
25 ヴィンチェンツォ・ニーバリ + 03' 29''
37 ファビオ・アル + 04' 25''


まず何と言っても目立ったのは、トム・デュムランの圧倒的な強さ!
2位のフルームに1分以上の差をつけての勝利は異次元の強さと言っても良いかと思います。
そもそも2014年の世界TTでは3位に入ってますし、今日もオランダチャンピオンジャージを着ての走りですから、現役でも屈指のTTスペシャリストであることは言うまでもありません。それに加えて近年の登坂力の向上、勝負強さは目を見張るものがあります。
個人的にはグランツールの総合優勝を目指すような選手に進化していって欲しい、最も期待する「次世代の主役」と思っています。

次にファビアン・カンチェラーラトニー・マルティンが全くと言っていいほどに奮わなかった点も印象的でした。
かつて圧倒的な強さを見せたファビアン・カンチェラーラも今年で現役引退……
昨年はマイヨ・ジョーヌを獲得する「強さ」を見せたカンチェラーラも、引退表明後の今大会ではここまで見せ場もなく、淡々と走っている印象。
今日のタイムトライアルでは何かを見せてくれるのでは、と期待もしましたが、結果はトップから3分以上遅れての23位と寂しい結果に終わってしまいました。
一方のトニー・マルティンも今大会ではここまで見せ場なく、今日もトップから2分遅れの9位。
これまでのステージで落車もありましたし、やはり本調子ではないのかもしれません。
こちらは今年のオリンピックでの復活を期待して待ちたいと思います。

総合争いは……というと、結果的にはまたしてもクリス・フルームのステージでしたね。
トム・デュムランからは1分遅れたものの、それでもステージ2位。総合優勝を争う、アダム・イェーツやナイロ・キンタナには2分のタイム差を稼ぐことになりました。
昨日の「事件」があっても尚、この強さ。やはり凄い選手です。

一方のアダム・イェーツやナイロ・キンタナの立場から見た場合は「2分差で済んだのでOK」という考え方もできるかもしれません。タイム差は別としてアダム・イェーツがステージ18位、ナイロ・キンタナがステージ20位と、不得手であるはずの個人タイムトライアルでのこの結果は2人にとっては「上々の出来」ともいえるかもしれません。

クリス・フルーム優位という状況になってきたものの、まだまだツールも中盤。今後のアダム・イェーツやナイロ・キンタナの後半戦での「攻撃」に期待したいと思います。

余談:
前日のニースでの事件を受けて、今日の表彰式では各選手共に喪章を着けてのセレモニーとなりました。
レース前の選手インタビューでも多くの選手が事件に触れ、複雑な心境を述べています。
近年、ロードレースもアフリカ系やアジア系の選手が増えてきたり、ますますワールドワイドなスポーツに拡大しつつあります。ロードレースは国籍や人種や宗教の差もなく、皆ゴールを目指して時にはチームの垣根さえも超えて協力していく「理性的であり紳士的なスポーツ」です。
様々は背景を持つ選手が協力して走る姿に我々は感動を貰っています。暴力によってそうした感動が阻害されることはあってはならない。大会関係者、選手、各チーム関係者が一丸となってツールを続行し運営されていることに感謝し、これからも全力で応援したいと思います。

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波乱のモン・ヴァントゥ:ツール・ド・フランス2016第12ステージ

ツール・ド・フランス2016

魔の山」モン・ヴァントゥの頂上ゴールが設定された第12ステージ。フランス革命記念日とあって、フランス勢の活躍が気になるステージです。


今日の「あの事件」は後で触れます……

まずは天候の話。前日のステージから強風で荒れ模様だったツールですが、今日のモン・ヴァントゥ山頂もやはり荒れていました。
最大で時速110kmの猛烈な突風が吹きすさぶ山頂のゴールはさすがに安全を考慮して、その手前6km地点に急遽ゴールが設定し直されます。(これが「あの事件」の原因の一端ともなってしまったわけですが……)

レースは「6km短くなったモン・ヴァントゥのゴール」を目指して10人以上の逃げ集団が形成され、最大で19分もの差をつけることに成功します。
メイン集団はというと昨日と同様に強風を活かしての横風分断を狙ったエティックス・クイックステップなどのアタックが仕掛けられ、徐々に人数を減らしていきます。結果、逃げグループとのタイムは一時7分差まで詰まります。(このタイム差なら最後の上りを考えると逃げきりは厳しいか……)
そんな中、残り35km地点でスカイのアシスト数人を巻き込んだ落車が発生します。
さすがにフルームもここでアシストが離脱するのは避けたい……自ら下がってチームメイトを集団に引き上げます。
結果、集団としても(道義的に)マイヨ・ジョーヌを置き去りにするわけにもいかず、フルームの集団復帰を待ちます。
そんなこんなしているうちに結果的に逃げ集団の逃げきりの確率が一気に上がります。

モン・ヴァントゥの上りを前に逃げ集団で最初に動いたのはアンドレ・グライペルでした。
世界屈指のスプリンターも今日はチームメイト、トーマス・デヘントのためにアシストに徹して走ります。
逃げグループから先行して、逃げグループのライバルに攻撃を仕掛けます。
年々「上れるスプリンター」としての評価が高まるグライペルですが、この上り区間でエースのアシストを務めるとは、驚きです。

グライペルのアシストもあってか、モン・ヴァントゥの上りに差し掛かったところでまずアタックをかけたのはトーマス・デヘント。
そこにダニエル・ナバーロとセルジュ・パウエルスが続きます。
途中、ナバーロとパウエルスに先行を許すものの、しっかりとペースを刻んで足を温存したデヘント。
残り5kmで先行する2人を捉え、最後の100mでは猛烈なスパートをかけ勝利!!
ステージ優勝と山岳ジャージ、さらには敢闘賞にモン・ヴァントゥ覇者の称号までを手に入れたトーマス・デヘント。
デヘントにとっては選手生活で最高の1日となったのは間違いないですね。(いや、しかし今日のデヘントは強かった。)

さて、逃げ集団を結局捉えきれなかったメイン集団ですが、総合の有力選手の間では熾烈な争いが繰り広げられます。
まず攻撃を仕掛けたのはアレハンドロ・バルベルデ。単独でアタックを仕掛け、チームスカイのアシスト陣を削りにかかります。
そしてバルベルデが集団に戻ると間髪入れずに今度はナイロ・キンタナが攻撃に出ます。
しかし、今日のキンタナのアタックには切れ味が足らず、決定的なアタックにはなりません。
そんなモビスターの攻撃をかわすと、今度はなんとフルーム自らが単独でアタックに出ます。そしてこのアタックが威力絶大!!
全くキンタナは着いていけず、フルームのアタックに追従できたのはバウク・モレマとリッチー・ポートの2人だけ。

キンタナが来れないと見るや、フルームはまた一段ギアを上げます。凄い迫力で登っていくフルーム、モレマ、ポート。
残り距離を考えるとこのまま3人が逃げて、今日もまたフルームがタイムを稼ぐのか……と思った矢先でした。
『あれ??落車??』しかもどうやら落車はこのアタックしたフルームグループらしい??
しかし、なかなか映像はフルームを捉えることが出来ません…… どうも観客が多すぎてカメラが辿りつけないらしい…一体どうなってるだ!?

そして、ようやくカメラがフルームを捉えます。

え?え??えええ???

なぜ、マイヨ・ジョーヌが走っている?バイクはどうした?一体何があったのか??

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うわー、まじか
冒頭でも書いたように、今日のモン・ヴァントゥは強風のため急遽ゴールが6km手前に移動となりました。
結果、本来はゴール手前2〜3kmに随所で設置されるはずだった観客を制限するためのフェンスはほとんど設置されず、しかもゴールまでの区間が短縮されたことで予想以上の観客がゴール手前の数kmに渡って溢れていました。
そんな中、観客に進路を塞がれて急停止したカメラバイクにモレマ、ポート、フルームが相次いで追突…… 結果、フルームのバイクは故障。代わりのバイクに乗り換えるにもサポートカーも観客に阻まれて待てども来ず。いてもたってもいられずにフルームは自分の足で走り出した……というのが上記の光景でした。

観客にぶつかって落車……という事故は最近のロードレースでは時折見かけるものですが、今日のように観客に完全にコースを阻まれるような状況や、ましてやマイヨ・ジョーヌがバイクにも乗れずに走りだす姿などは想像も及ばないような異常な光景でした。
結果的にはこの事故によるロスがタイムに影響出ないように裁定が下ったものの、明日以降の走りに影響ないか心配です。


しかし、この状況でもレースを捨てず、怒りを露わにすることもなく、マイヨ・ジョーヌらしく毅然と走りきったクリス・フルームは本当に偉大な選手だと再認識されられました。

Still in the #YellowJersey

この状況でもジョークをツイートできる精神力にも脱帽です。
明日は37.5kmの個人タイムトライアル。総合争いでも重要なステージが連日続きます。
この精神力でクリス・フルームが明日どんな走りを見せるのか、楽しみです。

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サガン×フルームの最強タッグ!:ツール・ド・フランス2016第11ステージ

ツール・ド・フランス2016

全21ステージのツール・ド・フランスも折り返しの第11ステージです。


162km、途中2つの4級山岳はあるもののやや短めの一般的な平坦ステージという感じの今日のコースプロフィールですが、問題は天候。
この辺は山から吹き降ろしてくる強風で知られる地域とのこと。
一見、平凡な平坦のピュアスプリント勝負と見えるステージですが、天候次第では横風による集団の分断で思わぬタイム差がつくかもしれません。

案の定、今日は序盤から落車が連続……ラファル・マイカなどが落車の餌食になってしまいます。
そして、強風の中、ティンコフやトレックが横風分断を狙ったアタックを繰り返し、集団は徐々に絞られていく展開。
横風といえばこの人、「横風番長」こと、マッテオ・トザットも活躍します。

今日逃げを決めたのは、トリコロールジャージを纏ったフランスチャンピオン、アルテュール・ヴィショとリー・ハワードの2人。
革命記念日を明日に控えてのフランス人の逃げは現地では大盛り上がりだったことでしょう。

逃げは残り60km地点で早々に吸収され、その後も集団はティンコフやスカイが引く展開。
追い風基調の風とのことで、独走力のあるTT系の選手がロングスパートをかけるのでは…… という予想もありましたが、残り20kmまでは強風の中、ピリピリした雰囲気の中で大きな展開はなくレースは進みます。

そんな状況を一変されたのは、なんとペーター・サガン
残り11kmで縦長になった集団の先頭にいた、マチェイ・ボドナールとペーター・サガンのティンコフ勢がここぞとばかりにアタックを仕掛けます。
そして、そのアタックに反応して飛び出しのが、これまたなんと、クリス・フルームとゲラント・トーマスのスカイ勢。
あっという間に4人の逃げグループが形成され、集団から10秒以上差を付けます。

思えばずっと集団の先頭付近に位置していたペーター・サガン……アタックをかけるチャンスを窺っていたのですね。この勝負勘、さすが才能の塊、ペーター・サガンといったところでしょうか。
そして、そのアタックに絶妙なタイミングで反応したフルーム。どうやらこちらは本当に偶然にその位置にいたようですね。(もちろん横風対策で集団の前方に常に位置取っていた状況ではありましたが。)

さすがに、サガン、ボドナール、フルーム、ゲラント・トーマスの4人の逃げは迫力があります。
ステージ勝利とポイントを積み上げたいサガンと総合系のライバルからタイム差を稼ぎたいフルームの完全に利害が一致した結果の共闘が見事にハマりましたね。(しかもこのメンツ!)
昨日のオリカ・バイクエクスチェンジの「チームプレイ」もロードレースの醍醐味ですが、今日の「チームを超えた駆け引きの妙」もまたロードレースの醍醐味かもしれません。
加えて言えば、このタイミングでこの4人が逃げに揃ったという「偶然」、追い風基調の「天候」といった要素もまたロードレースに面白さを与えている要素と言えます。

結果、4人の逃げを集団は捉えることが出来ず、マイヨ・ヴェールサガン)とマイヨ・ジョーヌ(フルーム)のワンツーフィニッシュ。
サガンは今大会ステージ2勝目、フルームも僅かではありますがライバルからタイム差を稼ぐことに成功しました。
今日もそうですが連日、様々な展開が巻き起こる今回のツール・ド・フランス
明日はフランス革命記念日で、しかも舞台は超級モン・ヴァントゥの山頂ゴールとあって、またしても波乱のドラマを観ることができるかもしれません。

(余談)今日は京都の本社に出張だったのですが、ロードレース好きな数名でスクリーンにJ-SPORTSオンデマンドの映像を流しながらの観戦でした。大画面最高!!
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オリカのチーム力が光る!:ツール・ド・フランス2016第10ステージ

ツール・ド・フランス2016

コンタドールがリタイアしても、ツールは続きます。今日は第10ステージ。


コンタドールのリタイアから休息日を挟んでの第10ステージ。
スタートから24kmで標高2408mの1級山岳ポール・ダンヴァリラの山頂をむかえ、そこからは標高差2000mを一気に下る、という特徴的コース。
(ちなみに標高2408mは今大会の最標高。)
ただしダウンヒルを終えてもまだ100km近い下り基調の平坦コースが待っているので、基本的にはスプリンター向けのステージです。

J-SPORTSの放送が始まった段階では既に1級山岳はとっくに超え、ダウンヒルも終盤といったところ。
驚異的なペーター・サガンダウンヒルを見られなかったのは残念。
この下りで逃げを決めたのは超豪華なメンバー。
サガン、ニーバリ、ルイ・コスタ、ボアッソンハーゲン、ヴァンアーヴェルマート、シャヴァネル、マイケル・マシューズ、ミケル・ランダ、トニー・ギャロパン、スティーブ・カミングスなどなど
今大会は豪華な逃げグループが多いですね。

豪華な逃げグループとはいえ、残り100km近くあるし正直最後はメイン集団に吸収されるんだろうな……と思って見ていたのですが、これが意外に差が詰まらない。

逃げグループにサガン、ボアッソンハーゲンを送り込むことに成功した、ティンコフ、ディメンションデータは敢えてメイン集団を引くことはありませんし、キッテルは序盤の山岳で遅れてしまったのかエティック・クイックステップも引かず。
結果的にメイン集団を長々と引くことになったのはブライアン・コカールにスプリント勝負させたい、ディレクトエナジートマ・ヴォクレール
舌を出し、ベロベロしながら体を揺らして走る姿はトマ・ヴォクレール独特のもの。
ヴォクレールといえば、いつも集団の最後方を「定位置とばかりにゆっくり走るのがお案じみですが今大会ではブライアン・コカールのために集団を牽引する姿が目立ちます。

とはいえヴォクレールが孤軍奮闘しても逃げる豪華グループとの差はつまりません。
トップグループが残り30km近くになっても4分差が縮まらない!
(これは逃げ切り決まりっぽい)となると、メイン集団も追うのを諦めてしまいました。今大会、逃げ成功の確率が例年になく高いのは何故なんでしょうね…… まぁ観る側からすると逃げが成功するのは面白いので歓迎なわけですが。

そうなると俄然、今日のステージはサガン勝利か…… という気配が漂ってくるわけですが、それでも逃げグループにはサガンの他に、ボアッソンハーゲン、マイケル・マシューズ、といったスプリント強者もいるし、ヴァンアーヴェルマートが独走力を活かしてロングスパートする可能性もあるし、まだまだどうなるか分からない。
しかもマイケル・マシューズのオリカ・バイクエクスチェンジには、ルーク・ダーブリッジとダリル・インピーという強力アシストが2人も残っているし。(ここに来てオリカは勝負してきた感じですね)

逃げグループはマイケル・マシューズのためにルーク・ダーブリッジが献身的に牽引を続けて最後の3級山岳の上りへ。
やはりここでは "上れるスプリンター" サガンがアタックをかけますが、ことごとくダリル・インピーがチェックして、逆にアタックをし返す展開。。もう完全にサガンの足を削りにかかっているインピーなわけですが、それにことごとく反応するサガン

ダーブリッジの引きからのインピーの猛烈なサガン攻撃……
正直ここまでアシスト陣が完璧な働きをしたらエースとしては勝たないわけにはいかないですよね。
個人的にはオリカ対サガンの争いを完全に静観する様子でグループの最後尾に張り付いていたヴァンアーヴェルマートがどこでアタックをかけるのか……と思って観ていましたが、特に変化は見せずにレースはサガン、マシューズ、ボアッソンハーゲン、ヴァンアーヴェルマートの4人によるゴールスプリントになだれ込みます。

そして、やはりインピーの攻撃でだいぶ足を使わされたサガンは最後の最後で伸びず、マイケル・マシューズがサガンをかわして勝利!!
いやぁ、サイクルロードレースは「チームスポーツ」なんだなぁ、とあらためて印象付けられたオリカの3人の動きは本当に素晴らしかったです。
突出したエースのいないオリカやランプレといった中堅チームが、今日のステージのように「チーム力」で勝っていくのを見るのもロードレースの醍醐味ですね。
オリカといえば、マイヨ・ブランのアダム・イェーツの活躍も光りますし、今日の勝利でチームとしても勢いを増していくでしょうから、これから残りのツールを盛り上げてくれるかもしれません。

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コンタドール去る…ピレネー最難関ステージ:ツール・ド・フランス2016第9ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016は第8ステージ、休息日前の今日は超級アルカリスの山頂ゴールという、いよいよ熾烈な総合争いが期待できる今大会でも屈指の注目ステージ。


超級アルカリスに、1級3つ、2級1つという今大会のピレネーでは最も難易度の高いステージで、しかも超級の山頂ゴールとあって、これはもう完全に総合勢の熾烈な争いがみれそうなコースプロフィールとなっています。

レースは今日も比較的大きな逃げ集団が形成されます。
連日逃げに加わっているティボ・ピノー、ダニエル・ナバーロ、マイヨ・ア・ポアのラファル・マイカといった顔ぶれの中に今日はトム・デュムランや、なんとペーター・サガンの姿があります。
138km地点に設定された中間スプリントのポイントを狙ってのサガンの逃げ参加ですが、1級山岳2つを超えた先の中間スプリントを取りに行くという並のスプリンターではありえない芸当を今日もやってのけます。(まさに異次元の選手ですね。)

そんなサガンやマイカの活躍の裏で同じティンコフのエース、アルベルト・コンタドールが今日も不振に喘ぎます。
序盤でメイン集団から抜け出して逃げ集団に追いついたところまでは良かったのですが、
逃げ集団から遅れ、メイン集団に吸収され、さらにはメイン集団からも遅れ、ついにはバイクを降り……
そして、そのままチームカーに手を振りながら乗り込みます。
コンタドール、リタイア
初日から落車し、その後もメカトラブルや落車に度々見舞われ、不運もありながら調子を上げられなかったコンタドールですが、今日ついにツールを去る決断を下しました。
2014年の涙のリタイアとは違い、今回は冷静にファンに手を振りながらチームカーに乗り込んでいった姿はかえって印象的でもありました。
来シーズンはトレックへの移籍が噂され早ければ明日の休息日にも正式に契約か……とも言われていたコンタドールですが、その休息日を前にしてのリタイア…残念です。
今年はまだリオ・オリンピックへの出場もありそうですし、次レースでのコンタドールの復活を期待して待ちたいと思います。

さて、レースの方は逃げ集団の中で度重なる他選手のアタックを淡々とペース走法でこなしてきたトム・デュムランが超級アルカリスで抜け出し、そのままゴールまで独走。
昨年のブエルタ・ア・エスパーニャの活躍から一躍クライマーとしての能力を開花させたデュムランですが、アルカリスでもその登攀力と独走力をあらためて発揮しての勝利。やはり強い。そして年齢を考えるとこれからの飛躍が本当に楽しみな選手です。
本人はリオ・オリンピックでのタイムトライアル優勝を目指しているとのことですが、オリンピックを終えた来シーズンはいよいよ本格的にオールラウンダーへと進化したデュムランが見られるかもしれません。そうなると来年のグランツールの勢力図も一気にまた変わっていきそうです。

コンタドールのいなくなった総合争いですが、今日は終盤10kmからの有力選手によるアタックの掛け合いは見応えがありました。
アタックをかけたクリス・フルームとそれに即座に反応するナイロ・キンタナの一騎打ちという状況あり、度々アタックをかけるダン・マーティン、リッチー・ポートあり。
結果的にクリス・フルームとナイロ・キンタナは譲らずにタイム差はつかず、一方でファビオ・アルやティージェイ・ヴァンガーデレンはその争いについていけず脱落という状況。
やはり総合争いはクリス・フルームとナイロ・キンタナが最有力か……という状況が鮮明になってきました。(そんな中で健闘しているマイヨ・ブランのアダム・イェーツも注目かもしれません。)
山岳賞もティボ・ピノー対ラファル・マイカという状況になってきましたし、ポイント賞も着実にペーター・サガンマーク・カヴェンディッシュを追い上げています。
明日の休息日をはさんで明後日のピレネー最終日ではどんな争いが繰り広げられるのか楽しみです。

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トゥルマレ峠登場!ついにフルームがマイヨ・ジョーヌ獲得:ツール・ド・フランス2016第8ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016は第8ステージ、ピレネーの代名詞ともいえる超級トゥルマレ峠をむかえます。


超級トゥルマレに1級が2つ、2級が1つ、日増しにピレネーも厳しさを増していきます。

今日逃げに成功したのは、ティボ・ピノトニー・マルティン、ラファル・マイカの豪華な3人。昨日奮わなかったティボ・ピノは面目躍如とばかりに今日は積極的に逃げます。
ラファル・マイカは山岳賞に向けて本格始動。思えば昨年の"トゥルマレ"ステージを勝ったのはラファル・マイカでしたし、今年もステージ勝利も狙っての逃げですね。
最後の1級山岳の手前でトップからは遅れてしまったものの、今日は着実に山岳ポイントを重ねてひとまずマイヨ・ア・ポワの獲得を決めます。

逃げの3人を吸収するとメイン集団はチーム・スカイが完全にコントロールして最後の1級山岳をむかえます。
今日のコースプロフィールから勝負どころは山頂を超えたあとのダウンヒルとみられていましたが、ここで仕掛けたのはクリス・フルームでした。
山頂の手前で一気にアタックし、そのままダウンヒルに突入します。
そしてフルームがダウンヒルを攻める攻める……これは完全に事前に準備していた感じですね。コースもしっかり把握した上での周到なアタックという感じ。
明日の第9ステージを勝負ポイントと見る向きが強かったですが、それに先んじて手を打ってくるあたりはいかにもフルームという感じで、この強さ、強かさを見せつけられると何とも言いようがないですね。
本当に強いクリス・フルーム。本当に強いチーム・スカイ。
レースはそのままクリス・フルームが逃げ切りステージ勝利。マイヨ・ジョーヌも獲得です。

そして個人的に何とか頑張って欲しいアルベルト・コンタドールですが今日も残念ながらタイムを失う結果になってしまいました。
ティンコフとしては、マイカの山岳賞もありますし、総合でもロマン・クロイツィゲルが比較的いい位置につけていますし、もちろんペーター・サガンマイヨ・ヴェールもありますし、今後のチーム戦略が気になります。(今日も遅れたコンタドールに対してクロイツィゲルがアシストに回ることなく走り続けたのもチームとしての判断がありそうです。)

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カミングス勝利、ディメンションデータ今大会はやくも4勝目:ツール・ド・フランス2016第7ステージ

ツール・ド・フランス2016

7月2日に開幕したツール・ド・フランスも今日で7日目、ついにピレネー山脈に突入します。
例年だと第10ステージ前後でアルプスかピレネーに入りますが、今年は「山が多い」という評判通り、やや早めのピレネーステージです。


100km過ぎの4級山岳から上りに入り、続いて1級山岳アスパン峠を超えて7km下ってゴールというシンプルなステージ。
とはいえ1級アスパン峠は総合勢にとってはこれからの優勝争いに直結する大事なポイント。少なくともここでタイムを失うことは避けたいステージです。

序盤なかなか逃げが決まらなかったものの、最終的には有力選手を多数含む29人もの大グループが形成されます。
トニー・マルティンファビアン・カンチェラーラ、ヴァシル・キリエンカといったTTスペシャリストや、クライマーではダニエル・ナバーロ、総合系のヴィンチェンツォ・ニーバリといった多彩で豪華な逃げ集団です。そしてマイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマートも逃げ集団に加わります。

最初の4級峠ではニーバリがアタックを繰り出しますが決定的なものにはならず、結局抜けだしたのはダニエル・ナバーロら3人。逃げた3人をスティーブ・カミングス、トニー・マルティン、ヴァンアーヴェルマートらが追う展開。やはりマイヨ・ジョーヌ頑張りますね。
結局カミングスが逃げグループへの合流を果たし、ナバーロ、カミングスらによる4人の逃げグループとなります。
残り40kmで逃げグループとフルーム、キンタナ、コンタドールらのメイン集団とは5分(結構開きましたが1級山岳を残してのタイム差なので何が起きるかはまだ分からない)

このまま4人でアスパン峠を超えて……と思っていましたが、なんと上りに入る前にスティーブ・カミングスがアタックをかけます!(まだ1旧山岳を残した残り27kmでのアタックはかなりのチャレンジ!!)
しかし今日のスティーブ・カミングスは強かった。そのまま独走でアスパンを超え、ゴール。

今年からワールドツアーに加わったディメンションデータですが、ここまでカヴェンディッシュの3勝、今日のカミングスの勝利と合わせて7ステージ中4勝!
基本的にはレンショーやボアッソンハーゲン、アイゼルらマーク・カヴェンディッシュのスプリントのためのアシストを揃えたチームですが、こうして個人の力でもステージ勝利を取るあたり、チームとしての厚みを感じさせます。
他にも昨年のツールで旋風を巻き起こしたダニエル・テクレハイマノもいますし、非常に注目のチームですね。

昨年まではMTNクベカとして活動していたチームですが、このスポンサーの「クベカ」は貧しい子どもたちに自転車をプレゼントしたり、自転車による教育や環境保全を推進している団体。
昨年から続くツールでの活躍ももちろんですが、南アフリカ国籍のチームとしての存在意義や活動そのものも多いに注目に値するチームだと思います。

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さて、注目の総合争いですが、メイン集団は結局揃ってゴールしタイム差に大きな変動はありませんでした。(ティボー・ピノーが大きくタイムを失ったのを除いては……)
一方で今日も頑張ったマイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマート。
ティーブ・カミングスからは大きく遅れたものの、フルームら総合上位勢にはなんと1分以上のタイムを今日も稼ぎました。
このまま奮闘すれば、もうしばらくイエロージャージ姿のヴァンアーヴェルマートが見られそうです。

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新城幸也が躍動!!そしてカヴェンディッシュ3勝目:ツール・ド・フランス2016第6ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016、第6ステージはピレネー入りを翌日に控えた平坦ステージ。


3級2つ、4級1つと中央山塊の峠を超えつつの下り基調の平坦ステージ。
今日の逃げを決めたのはボーラ・アルゴン18のヤン・バルタと……ランプレ・メリダ新城幸也!!
ついにきました!!今日は新城幸也が逃げます。

ここまで連日ほぼ逃げグループに選手を送り込んでいるボーラ・アルゴン18は今日もしっかりヤン・バルタの逃げを成功させます。
そして、ここまで逆にあまり見せ場を作れていないランプレ・メリダが、今日はついに新城幸也で逃げを成功させます。
18チームあるUCIプロチームの中でも最も予算の少ないと言われるランプレ・メリダ
しかしながら今年のジロ・デ・イタリアでもディエゴ・ウリッシがステージ2勝を上げるなど着実な活躍を見せているチームでもあります。
絶対的なエースはいないものの、個々にはレベルの高いパンチャー、スプリンターを擁し、臨機応変に逃げやスプリントに挑んで成果を上げているチームです。
今年からそのランプレ・メリダに移籍した新城幸也ですがそうしたチーム状況の中で逃げに乗る機会やステージ優勝に絡むチャンスも増えるのでは……と期待されていました。

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この2月の落車により大腿骨骨折という重傷を負い、当初はツール参戦も絶望とみられていた新城幸也でしたが、脅威の復活を遂げツール参戦。そして今日の逃げ!!ほんとうに凄い選手です。

さすがにステージ勝利は厳しいかな……と思いつつ見ていましたが、やはり残り21km地点で集団に吸収……
残念ながらステージ勝利はなりませんでしたが、やりましたね、敢闘賞!!
過去には2012年の第4ステージで敢闘賞を取っている新城幸也ですが、2度目の敢闘賞。
新しいチームに移籍して、そして大怪我を乗り越えての敢闘賞、素晴らしいとしか言いようがありません。

踏む前に捕まっちゃったんで今日はまだ全然踏んでないです

表彰後の電話インタビューでの本人談……やっと足も出来てきたしこれからまだまだいけるとのこと。明日からのピレネーにも期待ですね。

さて、集団は比較的道幅の狭い町中のコースで各チームともしっかりとトレインを組めない状態で混戦のスプリント。
今回このような展開のスプリントが多いですね。
そしてこの混戦を制したのは、またしてもマーク・カヴェンディッシュ
今大会ついに3勝目。かつてのステージ勝利量産体制が復活の気配か??と思いたくなる今大会の活躍ですね。

さて、明日からはいよいよピレネーに突入し、一気に総合争いも加熱していきます。
ますます目が離せない、ツール・ド・フランスです。

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新城幸也とランプレ・メリダの活躍にはこれからも期待です!!

いよいよ山岳ステージ!総合争いのプロローグ:ツール・ド・フランス2016第5ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016、第5ステージはいよいよ山岳ステージの序章といった感じ。
総合勢の戦いもいよいよ本格化します。


2級2つ、3級3つ、4級1つ、後半は峠をいくつも超えていく「ほどほどの山岳」といった感じのプロフィールですが、随所に激坂を配し、中には最大勾配20%の超激坂もある案外厳しいステージ。ツール序盤にして、総合勢にとってはライバルの状態を見極めるステージになりそうですし、パンチャーにとっては逃げを決める絶好のチャンス、といった面白いステージです。

先頭4名、追走6名という逃げグループが形成され中盤では15分ものタイム差がつく展開。先頭グループにはヴァンアーヴェルマートやトーマス・デヘント、追走グループにはラファル・マイカといった有力選手も含むなかなかに強力な逃げ集団。
山岳での15分差ですし、しかもヴァンアーヴェルマートといった総合上位の選手を含む逃げなので、簡単には許容されないだろうと思いつつも期待したくなる顔ぶれです。

昨日の「マイカは順調に総合タイムを落としている」というティンコフ中野マッサーのインタビューもありましたが、ラファル・マイカは今回は山岳賞、山岳でのステージ勝利に向けた準備を着々と進めて……そして今日の逃げ、ということですね。
ジロでは目立った活躍のなかったマイカですが、ツールの山岳では2014年の再現もしくはそれ以上の活躍もあるかもしれません。

山岳区間に入るとメイン集団ではモビスターの強烈な引きで集団が破壊され、ニーバリ、ランダといった今回はアシストにまわっている準エース級の有力選手が早々に千切れていき……マイヨ・ジョーヌペーター・サガンも集団から遅れていきます。
そんな中、アルベルト・コンタドールがまたしてもマシントラブル……ほんとうに今大会ついてない…ついてなさすぎるコンタドールがこのステージでも不運を発揮して、またしてもタイムを失います。(このついてなさが今後のステージでどう転ぶのか)

モビスターに続いてスカイの牽引で追い上げるメイン集団ですが、ヴァンアーヴェルマートの足は冴えていました。
並走していたデヘントも振り切り独走を続けて逃げ切り勝利!!そして初のマイヨ・ジョーヌ獲得!!

今大会、カヴェンディッシュサガン、ヴァンアーヴェルマートと、初マイヨ・ジョーヌ獲得が続いています。(とはいえ、いずれも実力者の初マイヨ・ジョーヌではありますが)
特にカヴェンディッシュサガンといった数々の勝利を上げてきた選手が、それでも誇らしげにマイヨ・ジョーヌを着て走る姿は、やはりマイヨ・ジョーヌの特別さを教えてくれます。
ひょっとしたら明日以降のステージでも「マイヨ・ジョーヌ効果」でヴァンアーヴェルマートの実力以上の活躍がみられるかもしれませんね。益々これからのツール・ド・フランス、楽しみです!!

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