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ステラ・マッカートニー@表参道:陰影のファサードデザイン

職場が表参道の片隅にあることもあって、表参道界隈の多彩な建築をいつも日常的に目にしています。
haveagood.holiday


中でも個人的に一番好きなのがタイトルにも挙げた、ステラ・マッカートニーの旗艦店の建物です。

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印象的なのは幾何学的なパーツの組み合わせから成るファサードのデザイン。
特に夜のライトアップされた中に複雑な陰影をまとった姿の存在感は圧巻です。

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このファサードのデザインですが日本人の建築家、照井信三さんの手によるものだそうで照井さんご本人は下記のように紹介されています。

いくつか、日本の伝統柄を見ていくうちに組み亀甲という柄に目を留めました。おっ、これは立体化すれば面白いんじゃないか?これを何らかの形で立体化してファサードにまとわせれば、現代的で洗練されたデザインになるなと思いました。
(中略)
ここで一番重要なのは、日本の伝統柄をデザインの源泉にしているのでどこか私たち日本人のDNAにすりこまれた日本を暗喩しているということです。一見、デザインされたものだけに見えますが、日本の伝統のエッセンスが込められているのです。

出典:http://homepage1.nifty.com/shinzoterui/pages/stellamccartney.html


組み亀甲という伝統柄とそれが織りなす陰影が日本的な情緒を感じさせ、しかしウェットさを感じさせない洗練されたデザインは本当に秀逸ですね。
夜間、正面のスクリーンに映し出される映像も印象的で、本当に完成度の高い建築だと思います。

youtu.be

そんなステラ・マッカートニー表参道ですが、どうもこの照井信三さんと施工した竹中工務店の間で著作権を巡る訴訟が進行しているようです。
先日放送された弁護士の水野祐さんを紹介した「情熱大陸」でこの件が取り挙げられていました。名前は伏せられていたものの、特徴的なデザインからすぐにそれと分かりました。

個人的にとても好きな建築のデザインでこのような訴訟が起きていることは非常に残念です……
とにかく一日も早い解決を願うばかりです。