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サガン×フルームの最強タッグ!:ツール・ド・フランス2016第11ステージ

ツール・ド・フランス2016

全21ステージのツール・ド・フランスも折り返しの第11ステージです。


162km、途中2つの4級山岳はあるもののやや短めの一般的な平坦ステージという感じの今日のコースプロフィールですが、問題は天候。
この辺は山から吹き降ろしてくる強風で知られる地域とのこと。
一見、平凡な平坦のピュアスプリント勝負と見えるステージですが、天候次第では横風による集団の分断で思わぬタイム差がつくかもしれません。

案の定、今日は序盤から落車が連続……ラファル・マイカなどが落車の餌食になってしまいます。
そして、強風の中、ティンコフやトレックが横風分断を狙ったアタックを繰り返し、集団は徐々に絞られていく展開。
横風といえばこの人、「横風番長」こと、マッテオ・トザットも活躍します。

今日逃げを決めたのは、トリコロールジャージを纏ったフランスチャンピオン、アルテュール・ヴィショとリー・ハワードの2人。
革命記念日を明日に控えてのフランス人の逃げは現地では大盛り上がりだったことでしょう。

逃げは残り60km地点で早々に吸収され、その後も集団はティンコフやスカイが引く展開。
追い風基調の風とのことで、独走力のあるTT系の選手がロングスパートをかけるのでは…… という予想もありましたが、残り20kmまでは強風の中、ピリピリした雰囲気の中で大きな展開はなくレースは進みます。

そんな状況を一変されたのは、なんとペーター・サガン
残り11kmで縦長になった集団の先頭にいた、マチェイ・ボドナールとペーター・サガンのティンコフ勢がここぞとばかりにアタックを仕掛けます。
そして、そのアタックに反応して飛び出しのが、これまたなんと、クリス・フルームとゲラント・トーマスのスカイ勢。
あっという間に4人の逃げグループが形成され、集団から10秒以上差を付けます。

思えばずっと集団の先頭付近に位置していたペーター・サガン……アタックをかけるチャンスを窺っていたのですね。この勝負勘、さすが才能の塊、ペーター・サガンといったところでしょうか。
そして、そのアタックに絶妙なタイミングで反応したフルーム。どうやらこちらは本当に偶然にその位置にいたようですね。(もちろん横風対策で集団の前方に常に位置取っていた状況ではありましたが。)

さすがに、サガン、ボドナール、フルーム、ゲラント・トーマスの4人の逃げは迫力があります。
ステージ勝利とポイントを積み上げたいサガンと総合系のライバルからタイム差を稼ぎたいフルームの完全に利害が一致した結果の共闘が見事にハマりましたね。(しかもこのメンツ!)
昨日のオリカ・バイクエクスチェンジの「チームプレイ」もロードレースの醍醐味ですが、今日の「チームを超えた駆け引きの妙」もまたロードレースの醍醐味かもしれません。
加えて言えば、このタイミングでこの4人が逃げに揃ったという「偶然」、追い風基調の「天候」といった要素もまたロードレースに面白さを与えている要素と言えます。

結果、4人の逃げを集団は捉えることが出来ず、マイヨ・ヴェールサガン)とマイヨ・ジョーヌ(フルーム)のワンツーフィニッシュ。
サガンは今大会ステージ2勝目、フルームも僅かではありますがライバルからタイム差を稼ぐことに成功しました。
今日もそうですが連日、様々な展開が巻き起こる今回のツール・ド・フランス
明日はフランス革命記念日で、しかも舞台は超級モン・ヴァントゥの山頂ゴールとあって、またしても波乱のドラマを観ることができるかもしれません。

(余談)今日は京都の本社に出張だったのですが、ロードレース好きな数名でスクリーンにJ-SPORTSオンデマンドの映像を流しながらの観戦でした。大画面最高!!
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