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パンタノ男気のダウンヒル勝利!!:ツール・ド・フランス2016第15ステージ

ツール・ド・フランス2016

超級1つ、1級2つ、2級1つに3級2つ……等級がついている山岳だけでも6つの山岳を超える難関ステージ。終盤に位置する超級と1級のダウンヒルも見どころとなりそうです。

www.jsports.co.jp
http://www.jsports.co.jp/cycle/tour/share/img/stage/img_profile_15.jpg

今日のステージを終盤までリードしたのは、山岳賞を目指すラファル・マイカと、ジロでの大落車から復活したイルヌール・ザカリンの2人。
最初の1級山岳を前に抜け出した2人。(最初の1級はマイカがトップ通過し山岳ポイントを獲得していきます。)
その後、ヴィンチェンツォ・ニーバリが引く追走集団に吸収されるものの、終盤の超級を前に再度マイカ、ザカリンの2人が抜け出します。

www.cyclowired.jp

衝撃的な落車でリタイアしたジロから、鎖骨と肩甲骨の骨折を治して復活したザカリン。あまりに酷い落車だったのでてっきりツールには間に合わないだろうと思っていたら、しっかり治して、しかもツールでステージ優勝争いをしている……
新城幸也しかり、デゲンコルブしかり、一流選手の驚異的な回復力は常人の理解を超えるとというか、そうした回復力なくして、グランツールは戦えないんだなぁ、と感じます。

超級グラン・コロンビエをトップで通過したマイカ、ザカリンですが、山頂通過後のダウンヒルでジュリアン・アラフィリップ、ハリンソン・パンタノの2人が一気に差を詰め、マイカに追いつきます。
一方でザカリンはダウンヒルで今一つスピードが出せずに一人遅れてしまいます。(やはりジロのダウンヒルで落車したイメージが残っているのでしょうか……*1

今日のダウンヒルでおそらく一番早かったのはジュリアン・アラフィリップ。今大会序盤ではマイヨ・ブランを着用し、フランスの期待を担うヤングライダーですが、中盤以降は調子を崩し精彩を欠いていましたが、今日は攻める攻める攻める。
超級グラン・コロンビエのダウンヒルではマイカ、パンタノを寄せ付けずあっという間に差を広げていきます。(これが若さ故の恐れ知らずというか、なんというか)
上りの追走でも一人テンポの違う上りを見せていたアラフィリップでしたから、このまま逃げ切ってしまうのか!?とも思えました。

が、あれ、アラフィリップが止まってる!!
残念すぎるメカトラブルでした。せっかくダウンヒルで置き去りにしたマイカ、パンタノに抜かれ、遅れていたザカリン、ヴュイエルモーズらのグループにも抜かれてしまいます(およそ1分半のロス……痛恨です。)
この後タイム差を詰めて、最終的にはトップから22秒遅れの5位だったことを考えると、本当に「痛恨のメカトラブル」でした。

アラフィリップのメカトラブルもあってトップに出たマイカ、パンタノは揃って最後の1級山岳にかかります。
今日ここまでのダウンヒルではパンタノがマイカを上回っている印象。案の上、山頂を前に早々にマイカはアタックをかけます。
山頂でのパンタノとのタイム差はおよそ20秒……
これまたあっという間でした。ダウンヒルに入るとみるみるマイカとパンタノの差は詰まり、下りきる手前で完全にマイカを捉えます。(マイカのダウンヒルも決して遅くはなかったはずで、パンタノのダウンヒルが凄かったという感じ。)

ダウンヒルはもちろんテクニックの差もあるのですが、よく言われるのはメンタルの差(というかどこまで恐怖心を律することができるか)ということ。
今日のマイカとパンタノでいうと、すでにツール勝利経験もあり、且つ今日だけで山岳ポイントを50ポイントも獲得して大きく山岳賞を手繰り寄せたマイカと、一方でツールではもちろんまだ勝利なく、コロンビア出身のハングリーさのあるパンタノの方がモチベーションの点でマイカを上回っていたのかもしれません。それがダウンヒルの差となり、ゴールスプリントでの「執着」の差として表れたのかもしれません。
(もちろん山岳ポイントを獲得するためにマイカが相当に足を使っていたということもあります)

コロンビア旋風と言われて久しいロードレース界ですが、今日また新たなコロンビアのヒーローが誕生しました。
ハリンソン・パンタノ。本当に執念というか気持ちでステージ勝利を勝ち取りましたね。

一方のコロンビアヒーローの本命、ナイロ・キンタナは今日も目立ったアタックはなく……
総合争いではティージェイ・ヴァンガーデレンがタイムを失った以外は大きな展開はありませんでした。
今日は既に総合争いからは後退したアスタナがなぜかメイン集団を牽引する動き。アスタナの引きでスカイのアシスト陣が若干削られる展開はあったものの、そこに乗じてのモビスターの攻撃はバルベルデが散発的にアタックを仕掛けたのみ。
キンタナの調子が今ひとつ上がらないように見えるモビスターですが、アルプスでは何か起きるのか。キンタナのとフルームのタイム差はおよそ3分。フルームの調子が良いだけに、これから3週目でどんな展開が待っているのか。個人的にはもう一波乱を期待してしまいます。

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jsports-cycle.hatenablog.com

*1:レース後のインタビューでは「片方のコンタクトレンズが外れたんだ」との本人コメントがありました。コンタクト片目でダウンヒル走るとかこれもまた驚き!