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フランス歓喜!ロメン・バルデがステージ勝利:ツール・ド・フランス2016第19ステージ

スポーツ ロードレース ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016

アルプスも残り2日。総合争いでは首位のフルームが2位に4分近い差をつけて頭抜けた感じになってきましたが2位以下は混戦。
2位のバウク・モレマと6位のリッチー・ポートでタイムは1分8秒。残りの山岳2ステージでも上位陣の「表彰台」をかけた熾烈な争いが繰り広げられそうです。

www.jsports.co.jp
http://www.jsports.co.jp/cycle/tour/share/img/stage/img_profile_19.jpg

146kmと比較的距離は短いものの、超級1つ、1級2つ、2級1つと終始アップダウンが続く難コース。
上位陣の接戦状況から考えると総合争いは最後の1級の山頂フィニッシュに向けた登り勝負となりそうですが、その前の超級モンテ・ド・ビザンヌから早めのアタックを仕掛けて一気にジャンプアップを狙って勝負に出る選手もいるかもしれません。
加えて超級の下りは途中、平坦に近い区間はあるものの、ほぼ40kmを下り続けるダウンヒルダウンヒルの得意な選手がこの長い下りでアタックを仕掛けて逃げを決めるという展開もありそうです。(ハリンソン・パンタノあたりは狙っていそう……)

今日の逃げ集団は山岳賞ラファル・マイカにトーマス・デヘントやハリンソン・パンタノ、ルイ・コスタといった今大会の「逃げ常連メンバー」に加えて、ピエール・ローラン、トニー・ギャロパンといった(何としてもステージ未勝利は避けたい)フランスの有力選手を含む20名余り。
超級の山頂を越えるまでは、この逃げ集団をアスタナが牽引するメイン集団が追う……という定番の展開。波乱が待っていたのは超級を超えた後の長いダウンヒルでした。

超級モンテ・ド・ビザンヌの山頂をラファル・マイカが先頭で通過し今大会の「山岳賞」を確定させた後でした。
マイカが逃げグループに戻った直後にアタックを仕掛けたのはピエール・ローラン。
今大会ここまで全く目立つところのなかったローランですが、今日のスタート前のインタビューでは「ようやく不調だった体調が今日は改善して好調だ」とのチームGMのコメント。これまで今大会ではフランス人のステージ優勝がないこともあって、ローランは今日のステージには相当に入れ込んでいるようです。
そのピエール・ローランのアタックに反応できたのはルイ・コスタただ一人。ローラン、ルイ・コスタの2人による逃げになりますが、それでもこの強力なタッグがどこまで逃げるか(あるいは逃げ切ってしまうのか)残り距離は50kmくらいあるものの、期待させてくれます。

逃げ集団を追ってメイン集団が超級の山頂を通過した頃にはコースはすっかり雨模様。場所によっては結構大粒の雨が降っているようです。
雨のダウンヒル……危険な気配です。
案の定、下りに入ったメイン集団ではすぐにエフデジのレイヘンバッハら数名が落車を起こします。そしてその直後に今度は総合6位のリッチー・ポートも!この落車によりリッチー・ポートは1分半ほど集団から遅れしまいます。(その後、ヴァンアーヴェルマートらアシストの牽引もあって超級の登りまでには集団に復帰しますが、さすがに足はだいぶ使ってしまいました)

さて、先頭を走る2人にも悲劇が襲いかかります。
雨の得意なルイ・コスタダウンヒルに必死に食らいついていたピエール・ローランですが、やはり無理が祟ったのか、下りのコーナーで前輪を滑らせ落車。時速80km近く出ている中での落車ですから酷い。道路の上を15mくらい飛ばされるような勢いで、道路脇まで転げていきます。
フランス中の期待を一手に背負っての逃げでしたから、フランス中が落胆に暮れたでしょうし、何よりローラン本人が一番無念だったかと思います。

そして落車はまだ続きます。ローランの後、こちらは何の変哲も無い直線の下りでトム・デュムランが落車。(前を走っていた選手がよろけたのを躱そうして右に逸れたところを後ろにいたテクレハイマノが追突……ということでした)
結果、デュムランは左の手首を骨折。ツールの後はリオオリンピックの個人タイムトライアルで金メダルを目指す予定だったデュムランですが、思わぬところで暗雲が立ち込めてしまいました。今回のツールでもステージ2勝を上げ、好調ぶりを見せていただけに余計にリオオリンピックまでの回復状態が気になります。

www.afpbb.com

そしてさらに落車はまだ続きます。今度はフルームとニーバリ。
こちらも緩めのコーナーで雨でなければ何でもない箇所ですが、道路の白線に乗った瞬間に前輪を滑らせたフルームが落車。その後ろを走っていたニーバリも巻き込まれてしまいます。
フルームはすぐに立ち上がって走り出そうとしますがどうやらバイクが故障してしまった模様。すぐに近くにいたアシストの中からゲラント・トーマスを選んで、バイクを譲り受けます。(どうやらチームカーは相当遅れており、仕方なく比較的体型の近いゲラント・トーマスのバイクで走る選択をしたようです)
結果的にゴールまでの10km以上をフルームはこのゲラント・トーマスのバイクで走りきることになります。
今大会では第12ステージではマラソンをしたシーンもありましたが、落車後のリカバリーで運のないフルーム。
それでも圧倒的な首位をキープしているのは実力のなせる技ですね。

そしてさらにまだ落車は続きます。今度は総合2位のバウク・モレマ。
アイマル・スベルディアとピーター・ステティーナのアシスト2人と一緒に3人で落車に巻き込まれてしまいます。
この落車もあって、最後の1級を登り単独で走らなければならなくなったモレマ。
結果的にこの落車が響いて今日のステージではトップから4分26秒遅れ……総合順位も2位から一気に10位に落としてしまう結果となります。

さて、この連続して発生した落車の混乱の中、メイン集団から抜け出しのは総合5位につけていたロメン・バルデ。
ミカエル・シェレルのアシストを受けてメイン集団から一気に抜け出します。
そのまま1級の登りに入るとすぐに先頭のルイ・コスタと合流し、またしても強力タッグでの逃げが開始されます。
ピエール・ローランの落車で落胆に暮れていたであろうフランスはこのロメン・バルデの逃げで再び湧き上がったのは間違いないでしょう。

あくまでステージ勝利ではなく総合表彰台を目指してのアタックだったロメン・バルデ。メイン集団がタイム差を詰めてきている状況を見て、残り3.2kmでペースを上げます。
このペースアップであえなくルイ・コスタは遅れてしまいます。(さすがにローランの落車からずっと1人で走り続けてきたわけですから、もう足は残っていなかったのでしょう)
メイン集団の追い上げもかわして、ロメン・バルデはそのまま先頭でゴール。
ついに今大会初めてのフランス人によるステージ優勝となります。
まだ25歳のロメン・バルデですが、既にリタイアしたティボー・ピノと並んでやはりフランス人クライマーの双璧という感じですね。強い。
今日の走りで、総合順位も5位から一気に2位にジャンプアップ。明日の走りも期待です。

今日のステージが終わった時点での総合順位を見てみます。

1 クリス・フルーム スカイ 82h 10' 37''
2 ロメン・バルデ AG2R + 04' 11''
3 ナイロ・キンタナ ヴィスタ + 04' 27''
4 アダム・イェーツ オリカ・バイクエクスチェンジ + 04' 46''
5 リッチー・ポート BMC + 05' 17''

2位以下は引き続き接戦ですね。
総合勢にとっては最終決戦となる第20ステージ。パリの表彰台には一体誰が上るのか。明日の戦いも楽しみです!