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サイクルロードレースの魅力について

ロードレース スポーツ

※この記事ははてなスタッフアドベントカレンダーの12月4日の記事です。


はてなブログ」や「はてなブログMedia」を担当していますプロデューサーの id:matsu_nao です。
今回のスタッフアドベントカレンダーのテーマは「好きなもの」ということで、このブログでも度々書いているサイクルロードレースについて書きたいと思います。

ツール・ド・フランスとの出会い

私がサイクルロードレースを見始めたのは実に20年以上前のことで高校生の頃のこと。
当時はミゲル・インデュラインが全盛期で、ツール・ド・フランス5連覇(91年〜95年)を達成し、92年93年にはツール・ド・フランスジロ・デ・イタリアの両レースで総合優勝する、所謂「ダブルツール」 を達成した時期です。
高校の同級生でフランスかぶれの友人がいて、彼が熱心にツール・ド・フランスを勧めるので仕方なく付き合いで深夜のダイジェスト放送を見たのがきっかけでした。
それまで全く知らなかった世界で、その友人と私以外にはおそらく周囲の友人も誰も触れていない世界に触れる新鮮さと特別感に惹かれていたのだと思います。

その後、2000年代に入る頃、ロードレース界で巻き起こったドーピング騒動によって、ロードレースへの興味を一気に失ってしまった時期もありましたが、2010年頃から再びツール・ド・フランスを見るようになり、ここ数年はグランツールツール・ド・フランスジロ・デ・イタリアブエルタ・ア・エスパーニャの世界3大レース)はもちろんのこと、主要なレースを万遍なく見るくらいに、以前にも増して熱量を持って観戦しています。

ロードレースの魅力

私が思うロードレースの魅力を幾つか挙げると……

  • チーム戦略、駆け引き
  • 様々な能力、特長を持った選手
  • 長期戦のドラマ

といったところでしょうか。
他にも見どころはいろいろありますが、今回はこれらの点について詳しく紹介したいと思います。

チーム戦略、駆け引き

サイクルロードレースではエースの選手(以下、エース)の成績が最も重視されます。
実際、前述のミゲル・インデュラインのように数々の英雄が歴史に名を刻み、賞賛されています。しかし、そのエースを勝たせるための実に高度なチーム戦略が存在する点がロードレースの最大の魅力だと思っています。
ただ一人のエースを勝たせるためにチームの各選手はそれぞれに役割を持ちレースに臨みます。
例えば、

  • 平坦区間でエースや他のチームメンバーの先に立って牽引する役割
  • 上り区間でエースを牽引する役割
  • ゴール手前のスパートでエースをぎりぎりまで牽引して有利な位置に導く役割
  • 逃げ集団に入り込んで集団を牽制する役割

といった具合で、各選手の個性に応じて様々な役割が与えられ、彼らは自分自身の成績ではなくエースの勝利のために力を尽くします。

ツール・ド・フランスでは、3週間のトータルタイムで競われる総合優勝の他に、ステージ毎の優勝(大会期間中の日別の優勝)、総合の山岳賞、総合のポイント賞といった各賞が設定されています。
エースの総合優勝が最大の栄誉であり多くのチームの目標ではありますが、それと同時にこれら各賞をいかに獲得できるかを目標として戦略を立てるケースもあり、そうしたチームの狙いに応じて、選手の走り方も違ってきます。
そうした観点で、今年のツール・ド・フランスの第10ステージで勝利した、チーム「オリカ・バイクエクスチェンジ」の「戦術・戦略」は特に印象的なものでした。

様々な能力、特長を持った選手

サイクルロードレースには上記のようにチーム戦略に応じて、様々な個性を持った選手が必要とされます。
選手はその能力や特性によって例えば下記のように分類されたりします。

スプリンター 瞬間的なスピードに長けた選手
平坦なコースではゴール手前で一気に加速して、ステージ勝利を狙う
クライマー 上りのスペシャリスト
エースを上り区間で牽引したり、自身も山岳でのポイントを稼いで山岳賞を狙うことも
ルーラー 平坦区間で長い距離を一定スピードで走りきる独走力を持った選手
個人タイムトライアルではステージ優勝を狙う
パンチャー 短い距離のアップダウンを得意とする選手
集団から逃げて、逃げ切りのステージ勝利を狙うケースも
オールラウンダー 高い登坂力と平地での独走力を持ち合わせた文字通りのオールラウンダー
近年のグランツールではオールラウンダーが総合優勝するケースが多い


上記以外にも、石畳のような悪路を得意としている選手もいれば、強風(特に横風)の場面で脚力を発揮するような選手もいたりと、実に様々な個性を持った選手が様々な役割を持って、様々なシチュエーションで活躍する……これもサイクルロードレースの醍醐味かと思います。

長期戦のドラマ

グランツールでは実に3週間に渡ってレースが繰り広げられます。
下の図は今年のツール・ド・フランスの全コースを記したマップです。
http://cdn.cyclist.sanspo.com/photos/2015/10/TDF_2016_MAP_01b.jpg
出典:http://cyclist.sanspo.com/211359

2016年ツール・ド・フランスでは長いステージで230km超(これを1日で走ります)
全21ステージの合計距離は約3,500km(これを途中2日の休息日を挟んで23日間で走ります)
1日の消費カロリーは6000〜7000kcalにも及び、選手は毎日3500〜4000kcalのエネルギーを走りながら補給食で補いレースを続けます。
したがって長いステージレースで活躍する選手の条件には「胃腸の強さ」が挙げられるほど、強靭な肉体と共にタフさが求められるのがサイクルロードレースでもあります。
そんな長いステージレースでは様々なアクシデントも付き物で、特に今年のツール・ド・フランスでは様々な事件も発生しました。
特に第12ステージの「事件」は何年もロードレースを見てきた私も衝撃の光景でした。

こんなアクシデントに見舞われながらも総合トップを守り、最終的に総合2連覇を果たしたクリス・フルームには脱帽せざるを得ません。

注目の選手

さて、そんなサイクルロードレース界には、今一人の個性的なスターが存在します。
ツール・ド・フランスでは2012年から5年連続でポイント賞を獲得(5年連続はエリック・ツァベルの6年連続に次ぐ史上2位)、2015年2016年には世界選手権を連覇(ちなみに連覇は史上6人目の快挙)……スロバキア出身の26歳、ペーター・サガンです。
スプリンターとしての実力はツール5年連続のポイント賞で明らかですが、元々マウンテンバイクの選手だったこともあって、上りにも強く、バイクコントロールにも長け、加えて天性の勝負勘にも恵まれた、まさに天才とはサガンのことを指すと思えるほどに圧倒的な才能を持った選手です。
また独特の立ち振舞いも有名で、奇妙なゴールパフォーマンスや、表彰台での可笑しなポーズは、これもまた天才サガンゆえの個性かと思います。
そんなペーター・サガンですが、先日トップカテゴリへの昇格が決まったばかりのボーラ・ハンスグローエと契約し、新天地での活躍を目指しています。
有力チームではなく昇格したての新興チームに移籍するあたりはいかにもサガンらしい選択。
とはいえ、チームメイトにはラファル・マイカ、マチェイ・ボドナールといった旧ティンコフからの移籍組も揃い、新興チームと侮れない選手が揃いました。そもそも単独でも充分に立ち回れる能力を持ったサガンですから2017年の活躍に今から期待が高まります。

自転車乗りとして

長年ロードレースを観てきた私ですが、自分でレースに参加したり……ということはこれまでありませんでした。
そんな中つい先日ですが、初めて自転車のイベント「BIKE TOKYO 2016」に参加してみたりもしました。
普段から移動の足として日常から自転車には乗っていますし、去年からは片道12kmの道のりを自転車通勤していたりもするのですが、都心の37kmの道のりを1000人以上の参加者が連なって走るという体験は新鮮なものでした。
ロードレース観戦はこれからも続けていくと思いますが、自分自身の自転車体験も充実していけると良いなぁ……などと思う今日この頃です。

はてなスタッフアドベントカレンダーの明日の担当はid:Yabre-Kabreさんです。

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