art × social × blog

日常のこと、スポーツやアートのこと、仕事のこと

オリカのチーム力が光る!:ツール・ド・フランス2016第10ステージ

ツール・ド・フランス2016

コンタドールがリタイアしても、ツールは続きます。今日は第10ステージ。


コンタドールのリタイアから休息日を挟んでの第10ステージ。
スタートから24kmで標高2408mの1級山岳ポール・ダンヴァリラの山頂をむかえ、そこからは標高差2000mを一気に下る、という特徴的コース。
(ちなみに標高2408mは今大会の最標高。)
ただしダウンヒルを終えてもまだ100km近い下り基調の平坦コースが待っているので、基本的にはスプリンター向けのステージです。

J-SPORTSの放送が始まった段階では既に1級山岳はとっくに超え、ダウンヒルも終盤といったところ。
驚異的なペーター・サガンダウンヒルを見られなかったのは残念。
この下りで逃げを決めたのは超豪華なメンバー。
サガン、ニーバリ、ルイ・コスタ、ボアッソンハーゲン、ヴァンアーヴェルマート、シャヴァネル、マイケル・マシューズ、ミケル・ランダ、トニー・ギャロパン、スティーブ・カミングスなどなど
今大会は豪華な逃げグループが多いですね。

豪華な逃げグループとはいえ、残り100km近くあるし正直最後はメイン集団に吸収されるんだろうな……と思って見ていたのですが、これが意外に差が詰まらない。

逃げグループにサガン、ボアッソンハーゲンを送り込むことに成功した、ティンコフ、ディメンションデータは敢えてメイン集団を引くことはありませんし、キッテルは序盤の山岳で遅れてしまったのかエティック・クイックステップも引かず。
結果的にメイン集団を長々と引くことになったのはブライアン・コカールにスプリント勝負させたい、ディレクトエナジートマ・ヴォクレール
舌を出し、ベロベロしながら体を揺らして走る姿はトマ・ヴォクレール独特のもの。
ヴォクレールといえば、いつも集団の最後方を「定位置とばかりにゆっくり走るのがお案じみですが今大会ではブライアン・コカールのために集団を牽引する姿が目立ちます。

とはいえヴォクレールが孤軍奮闘しても逃げる豪華グループとの差はつまりません。
トップグループが残り30km近くになっても4分差が縮まらない!
(これは逃げ切り決まりっぽい)となると、メイン集団も追うのを諦めてしまいました。今大会、逃げ成功の確率が例年になく高いのは何故なんでしょうね…… まぁ観る側からすると逃げが成功するのは面白いので歓迎なわけですが。

そうなると俄然、今日のステージはサガン勝利か…… という気配が漂ってくるわけですが、それでも逃げグループにはサガンの他に、ボアッソンハーゲン、マイケル・マシューズ、といったスプリント強者もいるし、ヴァンアーヴェルマートが独走力を活かしてロングスパートする可能性もあるし、まだまだどうなるか分からない。
しかもマイケル・マシューズのオリカ・バイクエクスチェンジには、ルーク・ダーブリッジとダリル・インピーという強力アシストが2人も残っているし。(ここに来てオリカは勝負してきた感じですね)

逃げグループはマイケル・マシューズのためにルーク・ダーブリッジが献身的に牽引を続けて最後の3級山岳の上りへ。
やはりここでは "上れるスプリンター" サガンがアタックをかけますが、ことごとくダリル・インピーがチェックして、逆にアタックをし返す展開。。もう完全にサガンの足を削りにかかっているインピーなわけですが、それにことごとく反応するサガン

ダーブリッジの引きからのインピーの猛烈なサガン攻撃……
正直ここまでアシスト陣が完璧な働きをしたらエースとしては勝たないわけにはいかないですよね。
個人的にはオリカ対サガンの争いを完全に静観する様子でグループの最後尾に張り付いていたヴァンアーヴェルマートがどこでアタックをかけるのか……と思って観ていましたが、特に変化は見せずにレースはサガン、マシューズ、ボアッソンハーゲン、ヴァンアーヴェルマートの4人によるゴールスプリントになだれ込みます。

そして、やはりインピーの攻撃でだいぶ足を使わされたサガンは最後の最後で伸びず、マイケル・マシューズがサガンをかわして勝利!!
いやぁ、サイクルロードレースは「チームスポーツ」なんだなぁ、とあらためて印象付けられたオリカの3人の動きは本当に素晴らしかったです。
突出したエースのいないオリカやランプレといった中堅チームが、今日のステージのように「チーム力」で勝っていくのを見るのもロードレースの醍醐味ですね。
オリカといえば、マイヨ・ブランのアダム・イェーツの活躍も光りますし、今日の勝利でチームとしても勢いを増していくでしょうから、これから残りのツールを盛り上げてくれるかもしれません。

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

コンタドール去る…ピレネー最難関ステージ:ツール・ド・フランス2016第9ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016は第8ステージ、休息日前の今日は超級アルカリスの山頂ゴールという、いよいよ熾烈な総合争いが期待できる今大会でも屈指の注目ステージ。


超級アルカリスに、1級3つ、2級1つという今大会のピレネーでは最も難易度の高いステージで、しかも超級の山頂ゴールとあって、これはもう完全に総合勢の熾烈な争いがみれそうなコースプロフィールとなっています。

レースは今日も比較的大きな逃げ集団が形成されます。
連日逃げに加わっているティボ・ピノー、ダニエル・ナバーロ、マイヨ・ア・ポアのラファル・マイカといった顔ぶれの中に今日はトム・デュムランや、なんとペーター・サガンの姿があります。
138km地点に設定された中間スプリントのポイントを狙ってのサガンの逃げ参加ですが、1級山岳2つを超えた先の中間スプリントを取りに行くという並のスプリンターではありえない芸当を今日もやってのけます。(まさに異次元の選手ですね。)

そんなサガンやマイカの活躍の裏で同じティンコフのエース、アルベルト・コンタドールが今日も不振に喘ぎます。
序盤でメイン集団から抜け出して逃げ集団に追いついたところまでは良かったのですが、
逃げ集団から遅れ、メイン集団に吸収され、さらにはメイン集団からも遅れ、ついにはバイクを降り……
そして、そのままチームカーに手を振りながら乗り込みます。
コンタドール、リタイア
初日から落車し、その後もメカトラブルや落車に度々見舞われ、不運もありながら調子を上げられなかったコンタドールですが、今日ついにツールを去る決断を下しました。
2014年の涙のリタイアとは違い、今回は冷静にファンに手を振りながらチームカーに乗り込んでいった姿はかえって印象的でもありました。
来シーズンはトレックへの移籍が噂され早ければ明日の休息日にも正式に契約か……とも言われていたコンタドールですが、その休息日を前にしてのリタイア…残念です。
今年はまだリオ・オリンピックへの出場もありそうですし、次レースでのコンタドールの復活を期待して待ちたいと思います。

さて、レースの方は逃げ集団の中で度重なる他選手のアタックを淡々とペース走法でこなしてきたトム・デュムランが超級アルカリスで抜け出し、そのままゴールまで独走。
昨年のブエルタ・ア・エスパーニャの活躍から一躍クライマーとしての能力を開花させたデュムランですが、アルカリスでもその登攀力と独走力をあらためて発揮しての勝利。やはり強い。そして年齢を考えるとこれからの飛躍が本当に楽しみな選手です。
本人はリオ・オリンピックでのタイムトライアル優勝を目指しているとのことですが、オリンピックを終えた来シーズンはいよいよ本格的にオールラウンダーへと進化したデュムランが見られるかもしれません。そうなると来年のグランツールの勢力図も一気にまた変わっていきそうです。

コンタドールのいなくなった総合争いですが、今日は終盤10kmからの有力選手によるアタックの掛け合いは見応えがありました。
アタックをかけたクリス・フルームとそれに即座に反応するナイロ・キンタナの一騎打ちという状況あり、度々アタックをかけるダン・マーティン、リッチー・ポートあり。
結果的にクリス・フルームとナイロ・キンタナは譲らずにタイム差はつかず、一方でファビオ・アルやティージェイ・ヴァンガーデレンはその争いについていけず脱落という状況。
やはり総合争いはクリス・フルームとナイロ・キンタナが最有力か……という状況が鮮明になってきました。(そんな中で健闘しているマイヨ・ブランのアダム・イェーツも注目かもしれません。)
山岳賞もティボ・ピノー対ラファル・マイカという状況になってきましたし、ポイント賞も着実にペーター・サガンマーク・カヴェンディッシュを追い上げています。
明日の休息日をはさんで明後日のピレネー最終日ではどんな争いが繰り広げられるのか楽しみです。

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

トゥルマレ峠登場!ついにフルームがマイヨ・ジョーヌ獲得:ツール・ド・フランス2016第8ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016は第8ステージ、ピレネーの代名詞ともいえる超級トゥルマレ峠をむかえます。


超級トゥルマレに1級が2つ、2級が1つ、日増しにピレネーも厳しさを増していきます。

今日逃げに成功したのは、ティボ・ピノトニー・マルティン、ラファル・マイカの豪華な3人。昨日奮わなかったティボ・ピノは面目躍如とばかりに今日は積極的に逃げます。
ラファル・マイカは山岳賞に向けて本格始動。思えば昨年の"トゥルマレ"ステージを勝ったのはラファル・マイカでしたし、今年もステージ勝利も狙っての逃げですね。
最後の1級山岳の手前でトップからは遅れてしまったものの、今日は着実に山岳ポイントを重ねてひとまずマイヨ・ア・ポワの獲得を決めます。

逃げの3人を吸収するとメイン集団はチーム・スカイが完全にコントロールして最後の1級山岳をむかえます。
今日のコースプロフィールから勝負どころは山頂を超えたあとのダウンヒルとみられていましたが、ここで仕掛けたのはクリス・フルームでした。
山頂の手前で一気にアタックし、そのままダウンヒルに突入します。
そしてフルームがダウンヒルを攻める攻める……これは完全に事前に準備していた感じですね。コースもしっかり把握した上での周到なアタックという感じ。
明日の第9ステージを勝負ポイントと見る向きが強かったですが、それに先んじて手を打ってくるあたりはいかにもフルームという感じで、この強さ、強かさを見せつけられると何とも言いようがないですね。
本当に強いクリス・フルーム。本当に強いチーム・スカイ。
レースはそのままクリス・フルームが逃げ切りステージ勝利。マイヨ・ジョーヌも獲得です。

そして個人的に何とか頑張って欲しいアルベルト・コンタドールですが今日も残念ながらタイムを失う結果になってしまいました。
ティンコフとしては、マイカの山岳賞もありますし、総合でもロマン・クロイツィゲルが比較的いい位置につけていますし、もちろんペーター・サガンマイヨ・ヴェールもありますし、今後のチーム戦略が気になります。(今日も遅れたコンタドールに対してクロイツィゲルがアシストに回ることなく走り続けたのもチームとしての判断がありそうです。)

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

カミングス勝利、ディメンションデータ今大会はやくも4勝目:ツール・ド・フランス2016第7ステージ

ツール・ド・フランス2016

7月2日に開幕したツール・ド・フランスも今日で7日目、ついにピレネー山脈に突入します。
例年だと第10ステージ前後でアルプスかピレネーに入りますが、今年は「山が多い」という評判通り、やや早めのピレネーステージです。


100km過ぎの4級山岳から上りに入り、続いて1級山岳アスパン峠を超えて7km下ってゴールというシンプルなステージ。
とはいえ1級アスパン峠は総合勢にとってはこれからの優勝争いに直結する大事なポイント。少なくともここでタイムを失うことは避けたいステージです。

序盤なかなか逃げが決まらなかったものの、最終的には有力選手を多数含む29人もの大グループが形成されます。
トニー・マルティンファビアン・カンチェラーラ、ヴァシル・キリエンカといったTTスペシャリストや、クライマーではダニエル・ナバーロ、総合系のヴィンチェンツォ・ニーバリといった多彩で豪華な逃げ集団です。そしてマイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマートも逃げ集団に加わります。

最初の4級峠ではニーバリがアタックを繰り出しますが決定的なものにはならず、結局抜けだしたのはダニエル・ナバーロら3人。逃げた3人をスティーブ・カミングス、トニー・マルティン、ヴァンアーヴェルマートらが追う展開。やはりマイヨ・ジョーヌ頑張りますね。
結局カミングスが逃げグループへの合流を果たし、ナバーロ、カミングスらによる4人の逃げグループとなります。
残り40kmで逃げグループとフルーム、キンタナ、コンタドールらのメイン集団とは5分(結構開きましたが1級山岳を残してのタイム差なので何が起きるかはまだ分からない)

このまま4人でアスパン峠を超えて……と思っていましたが、なんと上りに入る前にスティーブ・カミングスがアタックをかけます!(まだ1旧山岳を残した残り27kmでのアタックはかなりのチャレンジ!!)
しかし今日のスティーブ・カミングスは強かった。そのまま独走でアスパンを超え、ゴール。

今年からワールドツアーに加わったディメンションデータですが、ここまでカヴェンディッシュの3勝、今日のカミングスの勝利と合わせて7ステージ中4勝!
基本的にはレンショーやボアッソンハーゲン、アイゼルらマーク・カヴェンディッシュのスプリントのためのアシストを揃えたチームですが、こうして個人の力でもステージ勝利を取るあたり、チームとしての厚みを感じさせます。
他にも昨年のツールで旋風を巻き起こしたダニエル・テクレハイマノもいますし、非常に注目のチームですね。

昨年まではMTNクベカとして活動していたチームですが、このスポンサーの「クベカ」は貧しい子どもたちに自転車をプレゼントしたり、自転車による教育や環境保全を推進している団体。
昨年から続くツールでの活躍ももちろんですが、南アフリカ国籍のチームとしての存在意義や活動そのものも多いに注目に値するチームだと思います。

cyclist.sanspo.com

さて、注目の総合争いですが、メイン集団は結局揃ってゴールしタイム差に大きな変動はありませんでした。(ティボー・ピノーが大きくタイムを失ったのを除いては……)
一方で今日も頑張ったマイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマート。
ティーブ・カミングスからは大きく遅れたものの、フルームら総合上位勢にはなんと1分以上のタイムを今日も稼ぎました。
このまま奮闘すれば、もうしばらくイエロージャージ姿のヴァンアーヴェルマートが見られそうです。

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

新城幸也が躍動!!そしてカヴェンディッシュ3勝目:ツール・ド・フランス2016第6ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016、第6ステージはピレネー入りを翌日に控えた平坦ステージ。


3級2つ、4級1つと中央山塊の峠を超えつつの下り基調の平坦ステージ。
今日の逃げを決めたのはボーラ・アルゴン18のヤン・バルタと……ランプレ・メリダ新城幸也!!
ついにきました!!今日は新城幸也が逃げます。

ここまで連日ほぼ逃げグループに選手を送り込んでいるボーラ・アルゴン18は今日もしっかりヤン・バルタの逃げを成功させます。
そして、ここまで逆にあまり見せ場を作れていないランプレ・メリダが、今日はついに新城幸也で逃げを成功させます。
18チームあるUCIプロチームの中でも最も予算の少ないと言われるランプレ・メリダ
しかしながら今年のジロ・デ・イタリアでもディエゴ・ウリッシがステージ2勝を上げるなど着実な活躍を見せているチームでもあります。
絶対的なエースはいないものの、個々にはレベルの高いパンチャー、スプリンターを擁し、臨機応変に逃げやスプリントに挑んで成果を上げているチームです。
今年からそのランプレ・メリダに移籍した新城幸也ですがそうしたチーム状況の中で逃げに乗る機会やステージ優勝に絡むチャンスも増えるのでは……と期待されていました。

cyclist.sanspo.com

この2月の落車により大腿骨骨折という重傷を負い、当初はツール参戦も絶望とみられていた新城幸也でしたが、脅威の復活を遂げツール参戦。そして今日の逃げ!!ほんとうに凄い選手です。

さすがにステージ勝利は厳しいかな……と思いつつ見ていましたが、やはり残り21km地点で集団に吸収……
残念ながらステージ勝利はなりませんでしたが、やりましたね、敢闘賞!!
過去には2012年の第4ステージで敢闘賞を取っている新城幸也ですが、2度目の敢闘賞。
新しいチームに移籍して、そして大怪我を乗り越えての敢闘賞、素晴らしいとしか言いようがありません。

踏む前に捕まっちゃったんで今日はまだ全然踏んでないです

表彰後の電話インタビューでの本人談……やっと足も出来てきたしこれからまだまだいけるとのこと。明日からのピレネーにも期待ですね。

さて、集団は比較的道幅の狭い町中のコースで各チームともしっかりとトレインを組めない状態で混戦のスプリント。
今回このような展開のスプリントが多いですね。
そしてこの混戦を制したのは、またしてもマーク・カヴェンディッシュ
今大会ついに3勝目。かつてのステージ勝利量産体制が復活の気配か??と思いたくなる今大会の活躍ですね。

さて、明日からはいよいよピレネーに突入し、一気に総合争いも加熱していきます。
ますます目が離せない、ツール・ド・フランスです。

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

新城幸也とランプレ・メリダの活躍にはこれからも期待です!!

いよいよ山岳ステージ!総合争いのプロローグ:ツール・ド・フランス2016第5ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016、第5ステージはいよいよ山岳ステージの序章といった感じ。
総合勢の戦いもいよいよ本格化します。


2級2つ、3級3つ、4級1つ、後半は峠をいくつも超えていく「ほどほどの山岳」といった感じのプロフィールですが、随所に激坂を配し、中には最大勾配20%の超激坂もある案外厳しいステージ。ツール序盤にして、総合勢にとってはライバルの状態を見極めるステージになりそうですし、パンチャーにとっては逃げを決める絶好のチャンス、といった面白いステージです。

先頭4名、追走6名という逃げグループが形成され中盤では15分ものタイム差がつく展開。先頭グループにはヴァンアーヴェルマートやトーマス・デヘント、追走グループにはラファル・マイカといった有力選手も含むなかなかに強力な逃げ集団。
山岳での15分差ですし、しかもヴァンアーヴェルマートといった総合上位の選手を含む逃げなので、簡単には許容されないだろうと思いつつも期待したくなる顔ぶれです。

昨日の「マイカは順調に総合タイムを落としている」というティンコフ中野マッサーのインタビューもありましたが、ラファル・マイカは今回は山岳賞、山岳でのステージ勝利に向けた準備を着々と進めて……そして今日の逃げ、ということですね。
ジロでは目立った活躍のなかったマイカですが、ツールの山岳では2014年の再現もしくはそれ以上の活躍もあるかもしれません。

山岳区間に入るとメイン集団ではモビスターの強烈な引きで集団が破壊され、ニーバリ、ランダといった今回はアシストにまわっている準エース級の有力選手が早々に千切れていき……マイヨ・ジョーヌペーター・サガンも集団から遅れていきます。
そんな中、アルベルト・コンタドールがまたしてもマシントラブル……ほんとうに今大会ついてない…ついてなさすぎるコンタドールがこのステージでも不運を発揮して、またしてもタイムを失います。(このついてなさが今後のステージでどう転ぶのか)

モビスターに続いてスカイの牽引で追い上げるメイン集団ですが、ヴァンアーヴェルマートの足は冴えていました。
並走していたデヘントも振り切り独走を続けて逃げ切り勝利!!そして初のマイヨ・ジョーヌ獲得!!

今大会、カヴェンディッシュサガン、ヴァンアーヴェルマートと、初マイヨ・ジョーヌ獲得が続いています。(とはいえ、いずれも実力者の初マイヨ・ジョーヌではありますが)
特にカヴェンディッシュサガンといった数々の勝利を上げてきた選手が、それでも誇らしげにマイヨ・ジョーヌを着て走る姿は、やはりマイヨ・ジョーヌの特別さを教えてくれます。
ひょっとしたら明日以降のステージでも「マイヨ・ジョーヌ効果」でヴァンアーヴェルマートの実力以上の活躍がみられるかもしれませんね。益々これからのツール・ド・フランス、楽しみです!!

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

ついにキッテル勝利!:ツール・ド・フランス2016第4ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016は第4ステージを迎えます。
237.5kmの今大会最長ステージはじわじわとした上り基調の平坦ステージ。細かいアップダウンが続くコースはいかにも逃げが決まりそうな雰囲気。
近年のツールではなかなか逃げが決まることは少ないですが、今回はどうでしょう……


昨日までのブルゴーニュから一気にいつものツールらしい緑の夏の平原といった感じの景色になり、ツール感も高まってきました第4ステージ。
今日も例によってボーラ・アルゴン、イアム、トレックといった逃げの常連勢にAG2Rを加えた4チームが逃げる展開。コースプロフィール的には逃げが決まりそうな雰囲気もあるものの、そこまでタイム差は広がらず……やはり今日もゴールスプリントで勝利が決まりそうな展開。

昨日逃げて敢闘賞を勝ち取ったトマ・ヴォクレールが今日はなんと途中、メイン集団を引きます。
普段は集団の最後尾が定位置のヴォクレールが集団を引く……なかなか珍しい光景です。37歳となりキャリアの最終版を迎えるベテランが気を吐く姿、いいですね。
37歳となると、ひょっとしてヴォクレールあたりが今大会最年長なのかな?と思ってざっとベテラン勢の年齢を調べてみると、なるほど最年長は42歳!マッテオ・トザットですね。42歳いまだ健在「横風番長」……今回もしっかりとコンタドールの脇を固めています。
ちなみにトザットの次はざっと見たところパオロ・ティラロンゴの38歳。ティラロンゴも今年のジロではニーバリのマリア・ローザに大きく貢献しましたし、まだまだ衰えは感じさせないですね。
今年40歳を迎える私としては同年代の選手が活躍しているのは嬉しいかぎりです。

さて、今日も残り4kmあたりからテクニカルなコースが続き、人数が絞れた状態でのスプリントになりました。
残り2kmで万全のトレインを組んだロット・ソウダルも、最後までトレインを保てず今日も混戦のスプリントに雪崩れ込む形に。
最後はマルセル・キッテルとブライアン・コカールの際どい争い。
途中のヴォクレールの牽引もあったので、個人的にはコカールどうか!と思ったものの、キワキワのスプリントを制したのはマルセル・キッテルでした。(とうとうキッテルが来ましたね)
3位にペーター・サガンが滑り込んだので再びサガンマイヨ・ヴェール奪還。やはりマイヨ・ヴェール争いでサガンは抜きん出ていますね、凄い安定感です。

ここまで、カヴェンディッシュサガン、キッテル、と有力スプリンターが勝利を分けてきました。唯一まだ勝利に届いていないアンドレ・グライペルがこれからどんな奮起をみせるか楽しみです。

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

まさに格闘技!といった感じの熾烈なゴールスプリント

今日もまた僅差の争いに

カヴェンディッシュ2勝目!:ツール・ド・フランス2016第3ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2016も3日目、今日はいわゆる「ド平坦」ステージです。
昨日マイヨ・ヴェールマイヨ・ジョーヌを獲得したサガンマイヨ・ヴェールを守るか。
ここまで若干精彩を欠くキッテルが本領を発揮するのか、あたりが見どころです。


序盤に4級山岳があるものの、その後はほぼ平坦。223.5kmを大集団は淡々とゴールを目指します。(いや昨日、一昨日に比べると今日は平和ですね……)

今日はトマ・ヴォクレールとアルミンド・フォンセカのフランス勢が逃げを決めました。
トマ・ヴォクレールというと個人的には2011年のツールでマイヨジョーヌを10日間粘りに粘って守りぬいた走りが強く印象に残っています。
よく「マイヨ・ジョーヌを着ると常ならぬパワーが発揮される」といったことが言われますが、まさに2011年のヴォクレールはそんな感じでした。
最近だと今年のジロ・デ・イタリアのクライシュバイクも「マリア・ローザパワー」を発揮した例かもしれませんね。

今日そのマイヨ・ジョーヌを着ていたのは、ペーター・サガン
初のマイヨ・ジョーヌ獲得でしたが、本人はどうもマイヨ・ジョーヌよりも世界チャンピオンジャージである「マイヨ・アルカンシエル」のほうが気に入っている……といった発言をしていたようですが、なかなかどうして今日のレース前のインタビューでは結構嬉しそうにしてましたし、マイヨ・ジョーヌも似合っていたかと思います。
サガンというと、マイヨ・ブランマイヨ・ヴェールはもう見飽きるくらいに目に馴染んでいますが、いずれマイヨ・ジョーヌ姿も見慣れたものとなるのでしょうか。(個人的にはマイヨ・ジョーヌを着たサガンをまだまだ見ていきたいです。)

さて、今日のレースですが、予想通りの際どいゴールスプリント
グライペルを最後の最後でかわしたカヴェンディッシュが第1ステージにつづいての2勝目となりました。
この最後の最後の際を制した勝負勘はさすがカヴェンディッシュですね。

それにしても今回もいい形でトレインを組んでスプリントに望んだエティック・クイックステップでしたが、やはり勝てなかったマルセル・キッテル……
事前の評判ではスプリンター勢で頭一つ抜けているのでは……と言われていながら、ここまでの成果は今ひとつ。
おかげで際どいスプリント争いが続いているので面白いわけですが、キッテルの復調はあるのでしょうか。

ともあれ個人的にはカヴェンディッシュの2勝目は嬉しいかぎり。
今日の勝利でツール通算28勝。あのベルナール・イノーと並んで歴代2位タイですね。
エディ・メルクスの34勝に並ぶ日もいつか来るのかもしれません。

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

際どいゴールの瞬間

迫力のあるピュアスプリントでした

この日、歴代2位の勝利数に並ばれたベルナール・イノーマーク・カヴェンディッシュ

サガン久々のツール勝利!迫力の上りスプリントは圧巻:ツール・ド・フランス2016第2ステージ

ツール・ド・フランス2016

ツール・ド・フランス2日目。昨日のコンタドール新城幸也の落車の影響が気になりますが……ひとまず2人とも無事に今日もスタートしていて良かった……


平坦ステージにカテゴライズされてますが、4級3つ、ラストは最大勾配14%の3級山岳が控える、なかなか難しいステージです。
登り基調のゴールスプリントということで今日はペーター・サガンの久々のツール勝利なるか!?といったところが見どころ。

昨日、山岳ジャージを獲得したポール・ボスが今日も逃げに加わって奮闘。ボーラ・アルゴンは来年のワールドツアー入りを目指しているとのことで、今回のツールでも士気は高そうですね。
イアムやティンコフが今年でチーム消滅してしまう中で、勢いのあるチームがあるのはいいことですね。

そして、落車ってやっぱり後を引くというか、連鎖するというか、今日もコンタドールは不運に見舞われてしまいました。今日も結果的にフルームやキンタナといった総合有力勢に対してタイムを失う結果に……厳しい。

近年、グランツールの中でも特に逃げがなかなか決まらないツール・ド・フランスですが、今日の展開は面白かったですね。もう一息というところまで逃げに逃げたジャスパー・ストゥイヴェンは素晴らしかったです。

そして、サガン、アラフィリップ、さらにはキンタナやフルームといった総合勢までもが絡んでのラスト1kmの展開は熱かったですね!
最後の最後にアラフィリップをかわして「なんと初めてのマイヨジョーヌ」を勝ち取ったペーター・サガン、、凄かった。
そしてサガンを最後まで牽引したクロイツィゲルのアシストも良かったですね。

いやー、サガンマイヨジョーヌ、、凄い(そして、今日から"予定通り"マイヨヴェールも獲得ですね)
これまでも十分に活躍してきたペーター・サガンですが、世界チャンピオンとして挑む今年のツールでの活躍はこれまで以上に期待です!!

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

復活のカヴェンディッシュ…スプリンター勢揃いの2016年ツール・ド・フランスが始まりました!!

ツール・ド・フランス2016
jsports-cycle.hatenablog.com


今年も夏が始まりました!ツールの7月がやってきました!
今年はモンサンミシェルからスタート……これからの3週間が楽しみですね。


モンサンミシェルからの188km平坦ステージ。海沿いのコースなので強い横風がレースにどんな影響をもたらすか……
といった状況でしたが……

まず、残念ながら大きめの落車が何度か起きてしまいましたね……
それぞれ別の落車ですが、コンタドール新城幸也が落車に巻き込まれてしまったのは心配です。
近年特に風の強いステージでは熾烈な位置取り争いから落車が引き起こされてしまう状況がよく見られますが、今年のツールでも落車が残念ながら多く起きてしまうのかもしれません。
昨年のトニー・マルティンや、ファビアン・カンチェラーラマイヨジョーヌを着ながらも、落車によってツールを去ってしまった辛いシーンが思い起こされます。今年はそんな辛いシーンは見たくないですね。

復活のマーク・カヴェンディッシュ

マルセル・キッテルアンドレ・グライペルペーター・サガン、そしてマーク・カヴェンディッシュら、現在トップのスプリンターが顔を揃えた今回のツール。
ジロ・デ・イタリアの圧倒的な勝ち方を見ていても、キッテルが頭抜けてるかなぁ……と思っていましたが、いやいや、そんなことはなかったですね

結果的には

と、上位陣は予想通りの顔ぶれですが、なんとその中で勝ったのは……カヴェンディッシュでしたね!
かつての連勝を重ねていた記憶が強い私にはカヴェンディッシュの久々のツール勝利は本当に嬉しい!!
今年ディメンションデータに移籍して、マーク・レンショーやベルンハルト・アイゼルら、かつてのHTC時代のアシスト勢と再びチームを組んでカヴェンディッシュ復活!これは個人的にもロードレースファン皆にとっても嬉しい状況ですね。
ペーター・サガンもしっかり3位に食い込んでいますし、こちらも久々のツール勝利を期待したいです。

総合争いは意外にも波乱

落車の影響、風の影響もあって、初日から意外にも総合勢の間でもタイム差がついてしまいましたね。
特に酷い落車に見舞われたアルベルト・コンタドールの明日以降の状況が気になります。
昨年のジロでも肩を脱臼しながらも最終的には総合優勝を果たしましたし、怪我には強いイメージのあるコンタドールですが、他でもないツールですから熾烈な3週間をどう戦えるのか、気になります。

ともあれ、始まったツール・ド・フランス2016
今年はスプリントも盛り上がりそうですし、もちろん総合争いも気になりますし、3週間目が離せません!!

hatenablog.com
jsports-cycle.hatenablog.com

↓HTC時代のカヴェンディッシュは凄かった!2008年4勝、2009年6勝、2010年5勝、2011年5勝、と信じられないくらいのステージ勝利を量産していたかつての強さが今年は見られるか、非常に楽しみです!!
Mark Cavendish is the Best Sprinter of 2010